こんにちは,食べることとロードバイクが大好きな「旅すけ」です。
アニメ「弱虫ペダル」をきっかけに2020年10月からロードバイクをはじめた私,他にも影響を受けた漫画がいくつかありますが,その一つが「将太の寿司」です。
主人公の少年,関口将太君が日本一の寿司職人を目指して奮闘する漫画ですが,将太君の実家は北海道の小樽にあります。
元々食べることが大好きな私は,地元の百貨店の催しで北海道物産展があると必ず買い出しに出かけ,美味しい物の宝庫である北海道への旅行に大きな憧れを抱いていました。
そこへ漫画の影響が重なり「いつか北海道へ旅行できたら,小樽でお寿司を食べてみたい」という夢が出来ました。
念願叶って,北海道旅行へ行き,小樽で出会ったお寿司屋さんが人生で忘れられないほどに美味しくて楽しいお店だったので,今回はそのお店のことを書こうと思います。
❶ 寿司のまち,小樽
漫画「将太の寿司」の主人公,関口将太君の実家の寿司屋がある所,北海道の小樽は海に面した港町で,石狩湾からの新鮮な質の高い魚介がたくさん集まります。
実在する小樽市では日本が大正から明治の時代の頃,その評判によって全国各地で修行した若者が呼び寄せられ,次々と寿司屋を開店していったそうです。
その後,小樽の寿司ブランドを定着させるべく地道な商いは続けられ,1987年おたる政寿司が中心となって「魚供養感謝祭」がスタート。それと同時に老舗寿司店の店主たちによって国道5号線から小樽運河へ向かう200mほどの通りを「小樽寿司通り」と命名されました。
そして,小樽の寿司は全国にも知れ渡るようになり,今では小樽観光と寿司がセットとして認知され,日本全国はもちろんのこと,海外観光客にも人気の寿司のまちとなりました。
そんな寿司のまちとして有名な小樽市内には,100軒以上もの寿司屋が軒を連ねています。
北海道旅行という限られた時間の,たった一度の食事でどのお店に入るべきか相当悩みました。
気になるお店を数店はしごしようか,しかし,気になるお店は人気店ばかりだから予約をした方が良さそうだし,カウンターで食べるお寿司に不慣れという不安材料も抱えている…。
調べていくうちに「すし屋高大」さんの存在を知り,立ち食いスタイルという書き込みを見て「立ち食いならマナーにもうるさくなさそうだし,軽く食べて次のお店に行きやすいかも」と考え,お店を決めました。
❷ 立ち食い寿司はエンターテインメント!
すし屋高大さんは,おたる屋台村レンガ横丁の一角にあります。寿司ネタの並んだショーケースの前に胸の高さほどのカウンターがL字型に設置され,椅子はもちろんありません。
メニューは「おまかせ」になっているということなので,とりあえずのビールを注文して待ちます。(写真は二杯目の日本酒のグラスも写っちゃてます)
この一杯目の黒生瓶ビールからもうめちゃくちゃ美味しかったです!そして,お通しも黒い物が来ました!
海苔の佃煮ですが,今まで食べたことないくらい美味しくて,お寿司が来る前にこのお通しのせいで勢い良く一杯目の瓶ビールを飲み進めてしまい,慌てて二杯目の日本酒も頼んでしまいました。
ここから,色んな種類のどれもこれも手間をかけて仕込まれたことが伝わってくるネタのお寿司がテンポ良く自分の目の前に置かれていきます。
寿司を握る大将のトークも芸人さんの如く面白くて,初めてのお寿司屋さんに来た緊張感はすっかり解きほぐされ,気付けば店内もお客さんですっかり満員です。
こちらが食べたお寿司の写真の一部です。もっと食べましたが,後半は良い気分に酔っ払って写真を撮り忘れてしまいました。
満員なのに後から後からお客さんがやってきます。
諦めて帰っていく人がほとんどでしたが,諦めきれない常連さんが一人,店の前で渋りました。すると大将,店内のお客さんへ向かって一言「ちょっとずつ横向きになってくれたら隙間ができると思うんだけど」。
なるほど〜!みんなほろ酔いの赤ら顔で大将の提案に従います。
なんということでしょう!一人入れるくらいの隙間が出来ました。見知らぬお客さん同士がカウンターの前で横向きに整列して寿司をいただくという面白い光景です。入れた常連さんも,とても嬉しそう!
こんなに美味しいお寿司が食べられるんですもの。少しでもたくさんのお客さんが食べられた方が良いですよね。
大将の話術のお陰でいつの間にか店内のお客さん全員がお友達みたいな雰囲気が出来上がり,ず〜っと笑いながら,喋りながら,食べたり飲んだりしていました。
「これでおまかせの握りは一通り出したよ」と言われたのに,そこから「さっきのアレが美味しかった」「もう一貫,コレも握って」と追加のリクエストをいくつもして,結局,閉店まで居座ってしまいました。居座ると言っても立ち食いスタイルですが。
大将はトークが面白いし,日本酒の品揃えもなかなかのものだからきっと飲兵衛なんだろうなと勝手に想像していたら,なんと下戸だと言うので驚きです。ちなみに大好きな飲み物はソーダだそうです!
ハァ〜、北海道最高!小樽最高!!高大,最高!!!
握りのテクニックと軽快な話術で,こんなにも人を楽しませてくれるなんて,これはもうただの食事ではなく,エンターテインメントショーを味わったような気分になった夜でした。
❸ 再び訪ねたい
私がすし屋高大に伺ったのは2017年のことです。そう,コロナという感染症が世界中を騒がせる前です。ブログを書き始めて,このお店だけは必ず記事にしたいと思ってお店の情報を調べてみると,なんとそこには「臨時休業」の文字…
やっぱりコロナの影響があったのかな,満員ぎゅうぎゅうの立ち食いスタイルに感染症対策は厳しかったのかな,そう言えば大将,本当は草野球の監督がしたいって言ってたから寿司を握るのやめちゃったのかな…
コロナが落ち着いて,旅行に出かけやすくなったら,また,すし屋高大の美味しい寿司と楽しい大将に会いたいな。それまでは,自宅でブログの写真を見ながら北海道の日本酒でも味わうこととしようかな。
お店のカウンター奥ののれん。店名のこう大で「笑」という字になっています。大将の笑顔を思い出します。
- 住所:小樽市稲穂3丁目1−2
- 営業時間,定休日:現在,臨時休業中
- 駐車場:なし
いつかロードバイクで北海道も走ってみたいと思っています。その時は再び小樽市も訪ね,レンガ横丁にも立ち寄ってみるつもりです。
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